近くのものを見るときに 眼にストレスを与えない見方・注意事項
まず、ご自分の眼の状態をしっかり把握する事が重要です。メガネをご使用されている方なら今使っているメガネの度数があっているのか。
レンズの瑕や傷みがないかどうかを知る事が大切です。
40歳をすぎる頃になりますと、調節力の不足から老視(老眼)になっていることもあります。
しっかり度数を測って楽に近くのものが見えるようにしておきましょう。
さてこのようなメガネも視力もきちんと整った状態でも、長時間近業
(近くのものを見たり作業)をすると疲れは溜まってきます。
ここではいかに疲れやストレスを目に与えないようにするかを考えて見ましょう。
■ 照明の重要性 ■
明かりは眼にとって最も重要です。実際、メガネをお作りいただいて、
「お店では良く見えたけれど自宅に帰ってみたらどうも見にくい。」とおっしゃる場合、
ご自宅での照明が暗い事が多いようです。20代なら電球一個で大丈夫なのが、
40代では電球2個。50代だと4個必要といわれるくらい
年とともに明かりの環境は重要になってきます。
逆に太陽光など過度に強すぎる光も眼に悪影響を与えますのでお気をつけ下さい。
それではどんな明かりの環境が眼に良いのでしょう。
まず部屋全体の明かりが必要です。手元だけ明るくしてまわりが暗いのはよくありません。
子供がTVアニメを見るときに部屋の電気をつけましょうというのと同じです。
部屋全体の明かりの目安は
蛍光灯10~15w×畳数 電球30~40W×畳数 です。
この部屋全体の照明に加えてお手元をてらす照明を使用していただくと
同じように眼を使っても疲れがたまりにくくなると思います。ぜひ実行してください。
■ 近業の姿勢 ■
近く用のメガネをお作りする時に重要なのが、物を見る距離です。
40センチのものを見るのと20センチのものを見るのではメガネの度数は違ってきます。
近くを見るのに必要な調節力(近くのものにピントを合わせる力)は40センチでは2.5D
必要なのに対して20センチではなんと倍の5Dが必要となります。若い方でも倍の力で
近くを見続けると眼にはストレスが溜まるとおもいます。
体にあった机と椅子を利用して姿勢を正して本を読めば40センチの距離は確保できます。
寝転がって本を読むとどうしても距離は近くなって40センチは確保しがたいでしょう。
■ 休憩について ■
近くの作業をしているときちんとあったメガネをかけていてもある程度は疲れがでてきます。
眼のピント合わせ(調節)は眼球内の毛様体(筋)というところで行っています。
この筋肉は1時間ぐらいの働きなら5~10分休憩すれば疲労を元に戻せます。それ以上の
酷使になると疲労が蓄積されるようです。つまり近業をする時はきちんきちんと1時間ごとに
休憩を取って眼を休めていただく事が大切といえるでしょう。
近頃はパソコンやTVゲーム・ポータブルゲームなどで眼精疲労を起こす事が多いようです。
じっと集中して画面を見てしまい、まばたきの回数が減少する事で、ドライアイ(眼の表面の
涙が減少して乾く)となり眼精疲労を招きます。意識してまばたきを増やし、適度な休憩を
ぜひ励行してください。
リラックスした良い姿勢で部屋を明るくし手元にも照明をつけて、
ご自分の目にあったメガネを用いて近業をする。
1時間に5~10分休憩をする。
このようなことで眼にストレスや疲労をためないことができるでしょう。
眼精疲労について
眼精疲労の原因には、屈折異常、調節異常、眼位異常、ドライアイ・緑内障など眼から来るもの。
眼以外の原因としてはむち打ち症、自律神経失調症、全身の疲労、ストレスなど。
その他にも環境が原因としてVDT作業、化学物質過敏症などが考えられます。
電車やバスの中での読書や携帯電話のメールは見るものが常に振動などで
動いていますからとても疲れます。特に特に立っている状態では
視距離が近くになりやすいので余計に疲れやすくなります。
道路交通法の改正で禁止になりましたが、自転車での携帯電話の
操作なども同じような理由で眼への大きなストレスの原因となります。
というより、歩行者との事故を起こしやすいので絶対やめましょう。